ログミーFinanceを活用することで、企業と投資家の対話がより深く、より有意義な時間に
シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社
運用本部 金賢様
シンプレクス・アセット・マネジメントの事業内容
金様:
当社はヘッジファンドの日本における草分けとして、最先端の金融工学と経験を活かした高品質の金融プロダクトを国内外の投資家のみなさまに提供する運用会社です。その中で、私はETFの組成と運用、日々のトレーディングを行っています。
日経平均ブル2倍上場投信(証券コード:1579)などのレバレッジ・インバース型ETFで保有している先物を取引したり、PBR1倍割れ解消推進ETF(証券コード:2080)で設定・解約や定期的なリバランスがある時に、保有銘柄を取引したりという業務です。また、他にもマーケティング活動として、ログミーFinanceや東京証券取引所が主催するセミナーに登壇するといった取り組みも担当しています
当社は株以外も扱うためファンド自体はすごく多いのですが、株に限定すると大きなファンドのメインは5つです。そのうち3つが、PBR1倍を割っている銘柄やネットキャッシュ倍率が小さい銘柄のような、いわゆる割安株に投資して企業価値を向上させるというファンドです。
当社のアナリストたちは、企業が法定要件に基づいて開示している決算資料や取材によって、情報収集を行います。取材は企業と投資家がお互いに質問し、回答し、議論し合う場ですので、そもそも開示されている情報はすべて頭の中にインプットしてから臨むということが、基本的な礼儀作法の一つです。
取材に応じて下さる方はIR担当者だけでなく事業部長や経営陣になりますので、取材先の企業にとってバリューの高い人材に対して、その人の時間を無駄にするということは大変な失礼にあたります。取材開始前には決算情報などの基本的な内容は理解しておき、取材は質疑応答から始め、そこで深堀りした質問に対する回答を新しい情報として、投資判断につなげていきます。
多忙な機関投資家は効率的な情報収集で有意義な面談を実現
金様:
アナリストは週1回の全体ミーティング以外は、もうずっと事業会社への取材を行っています。いつトイレに行っているのか、いつ食事をしているのかわからないというレベルで活動しています。
朝は7時頃に出勤します。セルサイドアナリストとの電話など銘柄や業界の市況感を個別にヒアリングした後、だいたい9時ぐらいから事業会社とのミーティングです。ミーティングは1時間ぐらいの枠を設定しているので、多い時には午前中に平均3社行います。
午後も似たようなもので、ミーティングを3社ほどこなし、決算期には15時くらいからひたすら決算説明会に出席するというイメージです。事業会社への取材は1日最低5件は入れます。その後は予習として決算説明会に参加したり、翌日や翌々日に取材予定の企業を調査したりします。
先ほどもお話ししましたが、取材や面談を有意義なものにするために、事前準備として各社の決算内容を理解しておくことがとても大切です。多忙な中でも効率的に情報収集できるツールとして、当社のアナリストはログミーFinanceを活用しています。
投資家から見た全文書き起こし記事の利点とは
金様:
ログミーFinanceのサービスを使っている企業は、自社のIRページに決算説明動画や書き起こし記事のリンクを設定しています。私たちもそこから自然に記事を活用しているという状況です。ログミーFinanceは全文書き起こしという点がすごくよいと思っています。誰が何を話したかということは、かなり重要な情報になりますので、その点をすごく明確にしてくれます。
昨今は「情報は動画のほうがよい」とも言われますが、当社のアナリストは、速読できるのでやはり文字のほうが嬉しいそうです。動画を倍速で視聴することもできますが、必ず尺があります。文字であれば自分の読みたいところだけを読めますし、全体を読んでから確認したいところだけをもう1度読むこともできます。
また、もう1つの利点としては、同じ日に複数社の決算説明会があっても、参加できなかった説明会の内容を後からログミーFinanceの記事で確認できるため、ものすごく重宝しています。日本の特徴として多くの企業の決算日が重なるため、決算期のピークの日には膨大な数の説明会が開催されることになり、アナリストたちはいかに効率的に情報収集するかを重視しています。
文章であれば要約もしやすいですし、重宝しているアナリストも多いのではないでしょうか。質疑応答をログミーFinanceに掲載している企業も多く、自社IRページにリンクさせることは当たり前となってきているのかなと思います。
個人的にはログミーFinanceのページ構成自体がすごく好きですね。左のサイドバーにメニューがあり、真ん中に全文書き起こし記事があって、右側の小見出しにカーソルを合わせると投影資料が表示され、好きなページに移動できるというのはとても見やすいと思います。デザインが優れていますよね。
IRにリソースをかけられない企業こそ、ログミーFinanceの活用が有効
金様:
そもそも企業のIR活動は「まずは広く情報を発信する」ということが大前提だと思います。当社のセミナーでも「いかに自分たちの企業を短時間でわかりやすく投資家に伝えるか」が大切だとお話ししています。個人投資家も機関投資家も変わりなく、広く投資家に伝えることが、企業がまず取り組むべきことです。
「うちの企業のことをわかっていないから、適正な株価がついてない」とおっしゃる方もいますが、投資家の理解が進んでいないということは、担当者の責任という見方もあります。そのような意味でも、何かのきっかけで投資家に見つけてもらえるかもしれないので、ログミーFinanceのようなプラットフォームを活用すると効果的だと思います。
小型銘柄や知名度の低い銘柄の嘆きとして、せっかく自社サイトでの開示を充実させたのに誰も見てくれないということです。自分たちで取り組んでもSEOが強くなかったり、YouTubeでも検索されなかったりします。ログミーFinanceに掲載すると、トップページや説明会の開催日ごとのページなどを閲覧した方の目に入る可能性が高まるので、すごく有効なIR活動の1つになると思います。
企業と投資家が真摯に向き合うために
金様:
あくまでも企業と投資家は対等な関係です。私は機関投資家という立場なので、特にそう感じるのかもしれませんが「発表する側と受け取る側」ということではなく、お互いに対等な関係性であるということを企業側がもっと意識してもよいのではないでしょうか。
大企業では、開示されているIR資料をすべて理解した上で取材依頼をしなければ、拒否されることもあります。何も知らない状態で的外れな質問をされても時間の無駄になってしまいますので、もし仮にそのような投資家がいた場合には、企業側は取材を切り上げてもよいと私は思います。
もちろん、各社の取り組み方針によるとは思いますが「真摯に向き合ってくれる投資家に対して、真摯に応えていくという方向性を示してもよいのでは?」ということです。企業が開示すべき情報をすべてオープンにすることが大前提ですが、その上でこのような対応をとることはとてもフェアなことだと思います。
そのような意味でも、全文書き起こしをされている文字コンテンツがあれば、企業側は「これを見ればわかります」と案内できるのですばらしいですよね。面談や取材はお互いが考えていることをぶつけ合える場でもあり、もっと深い議論をするために時間を使うことができます。それは真剣に情報を取得しようとしている投資家にとっても、非常に嬉しいことです。
企業側はIRのトップページにログミーFinanceの記事をリンクする。投資家側は決算の数字だけでなく、誰がどのような発言をしたのか、質疑応答でどのようなやりとりがあったのか、すべて予習した上で取材に挑む。そのようなやり取りを想定して、お互いがログミーFinanceを活用していければよいと考えています。
▼シンプレクス・アセット・マネジメント株式会社登壇セミナー書き起こし▼
東証のガバナンス改革要請の本質に迫る!ー投資家が求めるIRとはー 注目すべきは指標数値や開示状況だけではない 投資家から見た東証の改革要請後の上場企業の変化
【QAあり】「PBR1倍割れ」は恥ずかしい 投資家の力で「バブル時代以上に豊かな日本」を目指すシンプレクスAMのアクティブETF