ログミー株式会社

「製品の特長を説明するのに苦労していた」 啓蒙に課題を抱える企業の“語りかけるメディア”を活用したマーケティング事例

クラウディアン株式会社
取締役COO 本橋信也様

業種:IT・通信
事業内容:サーバー関連ソフトウエア製品の開発、提供
ご利用目的:新規リード獲得

オブジェクトストレージ製品「HYPERSTORE」と、エッジコンピューティングを実現するデバイス「AI BOX」を提供するクラウディアン株式会社。日本で生まれた企業ですが、現在はシリコンバレーに本社を置いています。

ITやクラウドの技術に詳しい人向けのストレージ製品を開発提供する事業のため、海外に比べて国内での認知を獲得するのが難しいという課題を抱えていたという同社に、ログミーに記事を掲載した後の変化などについてうかがいました。

製品のよさをどう伝えるべきか悩んでいた

――クラウディアンさんには、ログミーで過去に2度インタビュー取材をさせていただいています。そこで今回は、掲載の経緯や反響などについておうかがいできればと思っています。

本橋信也氏(以下、本橋):わかりました。よろしくお願いいたします。

――まず、改めて御社の事業内容について教えてください。

本橋:詳しくは以前のインタビューでお話しさせていただきましたが、大きく分けると製品は2つです。1つは「HYPERSTORE」、もう1つは「AI BOX」という製品です。

HYPERSTOREが我々の主力製品です。どういう製品かというと、AmazonやGoogleといった大規模クラウドと同様の技術を使い開発した「オブジェクトストレージ」と言われる製品ですね。大量のデータを経済的かつ信頼性高く保存するための製品としてお客様に販売しています。

我々の製品はソフトウェアで、ハードウェアには汎用的なサーバーを使うんですよ。そういうサーバーを1,000台とか1万台とか並べて、そこにソフトウェアを載せます。たくさんのサーバーがあたかも1つの巨大で統合されたストレージであるかのようにソフトウェアが制御するんです。クラウドはそうやって大量のデータを扱っているんですよね。

1つのサーバーにデータが入っているだけだと、そのサーバーが壊れたらデータがなくなっちゃうかもしれないですよね。ところが、複数のサーバーに同じデータをコピーしておけば、1つサーバーが壊れてもデータがなくならない。そういうデータを保護する仕組みも持っているわけです。

それに、物理的にサーバーが1つだけだったとしたら、そこにアクセスしない限りデータを取り出せません。ところが、クラウドって何千万、何億人が使うので、特定のサーバーが動かないとデータにアクセスできない状態では困るわけですよね。

だから、1,000台の中のどれにアクセスしてもそのデータのありかに行けるような仕組みがなければダメなんです。そんなソフトウェアです。クラウドサービスの事業者が採用するだけではなく、映像、画像、ログ、オフィス文書など、2年間で倍になるようなデータを保管するために一般企業でも普通に採用されています。

……という説明をするのが、けっこう難しいんですよ(笑)。製品をどう伝えるかというところに我々は苦労するわけです。

――なるほど(笑)。詳しくご説明いただきありがとうございます。

IoT・AI時代に求められる製品の開発

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本橋:もう1個「AI BOX」という製品を開発し、提供を始めているんですけれども、これはインパクトのある形状なので非常にわかりやすいんですよね。

我々としては、HYPERSTOREの使いみちをある程度みなさんの目に見えるようにしたいという想いがあって、「IoTやAIのデータに最適な製品です」ということを実証するデモもしています。

そのなかで気がついたのは、今後IoTで機械のデータがどんどん流れてきますけれども、インターネットや携帯がそうであったように、キラーアプリケーションはやっぱり映像や画像になるということです。

今後IoTやAIの時代になると、ネットワークカメラからの映像がたくさん流れてきて、それを保存して、AIで分析して、なにかアクションを起こしていくという時代になる。そうなってくると、24時間365日流れてくる大量の映像を保存しておくのは、従来型のストレージ装置じゃ無理です。

それから、例えば夜に普通のカメラで撮影した映像では画質が悪い。当然のことながら、人の目で見えにくいものはAIにとっても難しい。だから4Kとか8Kの高精細な映像が必要になったりするんですが、そんな映像全てを通常の通信回線ではそのまま送れません。

だから、クラウドまでデータを持ってきて処理するのではなくて、現場で処理をしてしまう。要するに、4Kで映像を撮っても、その場で映像の内容をAIで認識して統計データに変えたり、切り取ってしまえば、送ることができますよね。

そのデータの発生している場所を「エッジ」と言うんですけれども、エッジでAIを処理する装置が「AI BOX」です。

HYPERSTOREというのは、IoTやAI、映像や画像という大量のデータを管理保存するために最適なストレージです。ところが、そもそも4Kや8K といった高精細な映像をIoTでHYPERSTOREに送るにはエッジで処理できるものがないといけない。そういう仕組みも整えないと、我々が伝えていることは単にコンセプトで終わってしまう。そこで、自らAI BOXを開発しました。このHYPERSTOREの話とAI BOXの話をそれぞれログミーに取材してもらったんですよね。

日本国内での啓蒙に課題

――ログミーのインタビューに出演いただいた経緯はどのような感じだったんですか?

本橋:それは、やっぱり伝えることに苦労しているんです。我々は製品にすごく自信があるし、実際、海外ではすごく売れています。海外は、データ量がものすごく多くて、我々みたいな製品がないと対応できない使い方がいっぱあるんですよね。

ところが、日本の場合は、まず「データを貯めて何に使うんだっけ?」から始めなくちゃいけないことも多いんです。だから自分たちで説明することにけっこう苦労していたので、ログミーみたいなトーンで説明してもらえるメディアって「おもしろいな」と素朴に思ったんですよね。

――ありがとうございます。ちなみに「ログミーみたいなトーン」について、具体的にどのように感じていらっしゃいますか?

本橋:これはね、やっぱり語りかけている感じですよね。ソーシャルメディアの時代のメディアという感じがします。

ログミーみたいに「読者に話しかけている」というトーンで書くのは、自分たちにはできない。変な言い方をすれば、堅くなっちゃうんです。だから自分たちのブログや、Twitterなどのソーシャルメディアで、こういうやり方はできない。

それから、ほかにもWeb媒体がたくさんありますが、そういった媒体もある意味ではレガシーなので、やっぱり語りかけるよりはまじめに説明しちゃうんですよね。

もちろん、そういった媒体は説明は上手です。間違っていることも書きません。文体もしっかりしています。ファクトもちゃんと確認して書きます。

でも、ログミーは「私(話者)が語っている」空気感も一緒に伝えてもらっている感じがします。

――文章は多少整えていますが、基本的には“全文書き起こし”ということで、話されたことをそのまま文字に起こしているので、そのあたりの特殊性はありますね。

メリットは、ソーシャルでの拡散力の高さ

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本橋:あとは、もう1つメリットを感じたのは、やっぱりソーシャルメディアを中心としているので、拡散力が強い。ほかのメディアと比べてもアクセス数が違うんですよね。

アクセス数が多いと助かる理由は、やっぱり多くの人にちゃんと我々のメッセージを届けられる可能性があるということですよね。

我々が届けたい人たちというのは2つあって、1つはIT部門の人。もう1つは事業部門の人なんですよ。

そこで問題があって、IT部門の人というのは、自分たちが責任を持っているITのインフラに関しては詳しいし、予算も持っています。ところが、事業部門が手がけているIoTやAIなどの新規事業分野に関してよくわかっていないので、知りたいと思っている。

一方の事業部門の人は、IoTやAIについては詳しいけれども、「じゃあITインフラはどうするんだっけ?」ということに関しては、はっきり言うと興味がない。だから、我々としてはその2つにちゃんと届けたいわけですよね。

だけど、今のメディアを見てみると、ITの人が読むメディアと事業部門の人が読むメディアってやっぱり分かれちゃうんですよね。だから、両方がちゃんと読むようなメディアであるということも大事だと思うんですよね。ログミーの拡散力の高さは、たぶん両方にリーチできている可能性が高いからだろうと思います。

記事掲載後、問い合わせの内容が変わった

――実際にログミーに掲載してみて、なにか反響はありましたか?

本橋:最初は「風林火山ストレージ」というキャンペーンをやった時に、試しに取材していただきました

その次は、AI BOXの話をAI EXPOが開催される前にあえて記事にしてもらえるようにしました。そうすると、AI EXPOで明らかに我々のブース目がけて来る人がいるわけですよ。ほかの媒体には出していないので、たぶん記事を読んだ人が我々のブースに来てくれたんだと思います。

我々はいわゆるAIの会社じゃないんですよね。AIのインフラを提供する会社であって、別にAIのアルゴリズムを作っている会社ではない。だからAIのイベントでは新参者なわけですよね。それにもかかわらず、「ブースに休みなく人が訪れてましたね」と言われるほどだったので、初めて出展したわりにはいい成果が出たんじゃないかと思います。それはやっぱりログミーに記事が出ていたので、記事を読んだ人が弊社のブースに来たのかもしれないと考えられますよね。

だから、訪問者をちゃんとブースに誘導できたということが1つの効果。あとは、掲載してから問い合わせの種類が変わっています。

HYPERSTOREの問い合わせで「いくらですか?」って聞いてくれる人はあまりいないんですよね。(製品の説明が)難しいので、本当に必要な人たちに「まずちゃんと教えてください」と問い合わせていただくことが多いんです。

ところがAI BOXに関しては、ログミーでわりと軽めの記事を出したことで、ユーザーが「手軽に買えるだろう」と思ったみたいなんですよね。だから、今は「いくらですか?」「見積もりください」という問い合わせが来るんですよ。

たぶん身近に使える製品だと思ってくれているんです。それはログミーの伝え方だからなんですよね。そういうメリットはあると思いますね。

――そういうこともあるんですね。それは想定していませんでした。

本橋:まあ、別に「ログミー見ました?」と聞いているわけではないんですが、おそらくそうだろうと。逆に言えば、それはログミーの課題だと思います。要するに、その効果が紐付けできないんですよね。

――そこは確かに、おっしゃる通りですね。

本橋:「問い合わせの内容が変わったと感じてます」とは言えるけれども、それを実際に検証はできないんですよ。唯一検証できるのは「アクセス数が多かった」ということで、そこはやっぱり課題だと思うんですよね。もちろん、それは全部のメディアに共通する課題だとは思います。

一般的にメディアでやっている効果測定は、例えば「アンケートに答えればホワイトペーパーのダウンロードができます」みたいなことが主流なわけで、だから我々としては、そこで効果を知れるなにかが欲しいんですよね。

――そうですよね。以前、MAツールを開発されている会社さんのユーザー会を記事化させていただいたんですが、広告記事にタグを入れて計測して、その会社のリードとして持っている顧客の何人がログミーの記事を見たかということを紐付けられていて。そういった使い方のご提案やパッケージングというのもありかもしれません。

本橋:そうですね。みんな効果は絶対に知りたいので。

――単純に「何人に読まれました」というところよりも深いデータですよね。

本橋:そう。我々としては、HYPERSTOREを買いそうな人や、AI BOXを買いそうな人に記事を読んで欲しい。要するに、その情報があることによって営業が正しいお客様のところに行けるということが理想なわけです。HYPERSTOREもAI BOXも、製品の説明をすると、お客様から「こんな製品があったのですねぇ」と驚かれることが結構あります。それを聞くたびに、うれしさの半面、自分たちが伝えきれていなかったという力不足も感じます。ログミーにより、我々がリーチできないところになにかできるのは本当にうれしいところですよね。

――ありがとうございます。参考になりました。

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