
「リーチを増やしつつ、内容も100%伝えたい」イベント主催者の課題を解決する“全文書き起こし”という選択
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株式会社CyberZ
F.O.Xサービスマネージャー 門田矩明様
事業内容:スマートフォン広告代理事業、他
ご利用目的:勉強会のログ化によるプロダクトのブランディング
スマートフォンに特化した広告マーケティングを軸に、さまざまな事業を展開する株式会社CyberZ。同社が提供するスマートフォンアプリのマーケティングツール「F.O.X」では、エンジニア向け勉強会「F.O.X Meetup」を開催しており、ログミーTechで第2回、第3回の勉強会を記事化しています。
今回は、イベントもご担当されている株式会社CyberZ F.O.Xサービスマネージャー・門田様に、エンジニア向け勉強会の記事化以前の課題や、全文書き起こしを掲載するメリットなどについて伺いました。
プロダクトのブランディング目的で勉強会を開催
――本日はよろしくお願いいたします。まずは御社の事業内容を教えてください。
門田矩明氏(以下、門田):CyberZは、2009年にサイバーエージェントの100パーセント子会社として設立されました。
事業は多岐にわたるんですが、大きなものとしてはスマートフォン広告に関する広告代理事業があります。それ以外に、『OPENREC.tv』というtoCのゲームの動画の配信プラットフォームや、eスポーツの普及・ブランディングを目的とした『RAGE』というeスポーツのイベントも運営しています。
それから最近だと、CyberZの子会社としてゲームの配信者を支援する株式会社eStreamや、今年の4月にはバーチャルYouTuberのプロダクションであるCyberVという子会社も設立しています。
今、私がやっているのはアドテク事業なんですが、スマホ広告、とくにスマートフォンアプリを広告経由でダウンロードしたユーザーのその後のアクションを統計化してレポーティングする「F.O.X」というサービスを展開しています。
――その中で、「F.O.X Meetup」などエンジニア向けの勉強会を開かれていますが、どういう目的で開催されているんですか?
門田:メインはプロダクトのブランディングですね。F.O.X Meetupというイベントは去年の年末頃に始めたんですが、エンジニアの勉強会自体は2年くらい前から頻繫にやるようになってました。
最初は、社内のエンジニアが外で発表する機会を作る目的で始めたんです。自社のメンバーに登壇してもらって、それで人が集まればロイヤリティが上がりますし、他の会社の人で同じ悩みを持っている人、同じスキルを持っている人で繋がって新しいことができたりもします。そういうことのために開催していました。
ただ今回のF.O.X Meetupでは、そういった目的はかなり薄くなっていて、プロダクトのブランディングというところがかなり大きいですね。
――F.O.X Meetupでは他社の方も登壇されて、F.O.X以外のお話もされていますよね。
門田:F.O.Xはスマホアプリを出している企業に提供しているものなんですね。スマホアプリに特化させたGoogle Analyticsのようなサービスだと思っていただければわかりやすいかと思います。なので、密接に関係するのはスマホアプリを作っている人や運営している人たちになるんです。
今、スマホアプリを提供するアプリ系スタートアップはかなりたくさんあるんですが、今まで私たちはそういうユーザー層、企業層にアプローチができていなくて、課題に感じていたんですね。それを解決するために、ミートアップを開きました。
ミートアップの趣旨自体は、スタートアップのアプリエンジニアやプロデューサー、ディレクターに対して有益な情報を提供するというものです。なので、未来のお客さんになる方々に来てもらえるとか、ためになる情報を提供するということが大事で、そういうコミュニティをつくるというのが重要だと考えていますね。
なので、ぜんぜんF.O.Xに関係ない人が登壇しているのは、直接的にF.O.Xを売り込むことが目的ではなくて、あくまでコミュニティに入ってきてもらって、良い情報を提供するのが一番近道だなと思ったからです。
単に採用目的として開催するミートアップも多いと思いますが、そうではなくて、「自分たちのプロダクトをもっと良くするために」というエンジニア勉強会の延長線上で始めた感じですね。
「もっとリーチさせたい」「内容を100%伝えたい」という2つの課題
――ログミーではF.O.X Meetupの2回目と3回目を掲載させていただきました。最初はこちらからお声がけさせていただいたと思うんですが、その時点で何か課題などがあったんでしょうか?
門田:(営業を受けたのは)確か1回目のイベントが終わった後だったと記憶しているんですけど、1回目は課題がかなりたくさんありました。参加者も40人くらい来ていただいて、イベント自体は盛況だったんですけど、当初想定していたより広まらないというか……。
イベントに手応えもあったんですよ。それで、イベント後にそのスライドを公開したんですけど、誰も見ていない。そこがけっこう問題でした。
1回目の登壇者は、F.O.Xのプロデューサーと開発責任者っていう、これ以上ない感じの人材を揃えたんですけど(笑)。中身もすごく良くて、発表に際して何回もリテイクして、発表者にもけっこう練習してきてもらって、準備を万全にしてたんです。
でもイベント自体が盛況だったとしても、リーチできるのは会場に来てもらっている30人、40人しかいないわけで。スライドも来場者の10倍くらいは見られるんですけど、500人とか、多くても1,000人ですし、スライドだけ見ても内容があまり伝わらないのがほとんどなのかなと。僕もSlideShare(スライドを公開できる共有サービス)でイベントスライド見る時はバーッと飛ばしちゃって、印象に残ったところしか覚えていない。「行間が読めない」って言うんですかね。頭に入ってこないんです。
おもしろい発表って、スライドだけ見たらけっこうよくわからないことが多くて。急に変なスライドが出てきて、「なんだこれ?」みたいな(笑)。会場で見ていれば、そこで笑いが起きたりしているのがわかるんですけど、それがぜんぜん伝わらない。
なので、イベントに来てもらわないと内容が100パーセント伝わらないんですけど、リーチできる人数が限られる。でも、スライドを公開しても内容がいまいち伝わらない。この2つの課題がありました。その時にちょうどログミーさんからお話を受けて、その課題にフィットするなと思いました。
全文書き起こしなので、「一同笑」とか「会場挙手」みたいなものが書いてあるじゃないですか。あれって、ログミーさんみたいな書き起こしじゃないと伝わらないというか。
動画配信をすればいいのかもしれないけど、動画って観ないですよね。内容を飛ばしにくいですし。SEO上にあまり響かないというのもあります。
それで、全文書き起こしならフィットすると思って、ちょっと試させてもらおうかなと思いました。
「登壇者本人が一番喜んでいた」
――ちなみに、1回目のイベントについて効果測定はされていたんですか?
門田:会場で参加者の方にアンケートをお願いして、満足度の収集などをやっていて、それをメインの指標にしていました。あとは、参加率やスライドのPV数などですね。
――なるほど。2回目はそのあたりの数字をもっと伸ばすためにいろいろ摸索されて、ログミーでの記事化を選んでいただいた?
門田:そうですね、はい。
――実際にログミーに2回目のイベントを掲載していただいて、具体的になにか数字に表れたり、反響があったりしましたか?
門田:そうですね、見てもらった数で言うと、今までの10倍とか、それ以上見ていただいて。「こういうイベントやってるんだ」「記事読みました」と言ってもらえるようになりました。
例えば、アポでスマホアプリデベロッパーの方、ディレクターの方とお話をした時に、「○○さんの記事見ました。あれはすごく良かったですね」とか、「スライドも拝見させてもらいました」といったことはありましたね。
――それはログミーとしてもうれしいですね。F.O.X Meetupの記事は、はてなブックマークでも好評でした。
門田:登壇者本人が一番喜んでいましたね。3回目のイベントの際は、書き起こしメディアに対して「ニーズがあるのかわからない」とおっしゃっていた方もいたんです。僕は(2回目のイベントの際に)一度経験しているので、「絶対やったほうがいいよ」と話をして、「じゃあ記事を載せてもらおうかな」という感じで話していたんですけど。
実際に載せてみて、話している本人の口調がそのままなので、登壇者のキャラや会場の雰囲気がよりわかるというか。知っている人は「あっ、○○さんだ」と思うし、知らない人でもその人がどういうキャラなのかがわかるので、その上でスライドを見ると頭に入ってきやすい。
そういうことがあるので、結果的に本人もすごくよかったと言っていました。
――ちなみに2回目掲載していただいて、3回目の集客でなにか変わりましたか?
門田:ログミーを見たことがあるという人が3回目の参加者の中にいて。2回目で登壇したメンバーが懇親会の中で、2回目に見かけていない参加者さんから「前に登壇していた○○さんですよね」と話しかけられる、ということはありました。
――社内での反響はどうですか?
門田:社内のメンバーがイベントに登壇しても、基本的にはスライドを公開して終わりなんですよね。参加しているメンバーはなんとなくわかるんですけど、大多数のエンジニアやほかのサイバーエージェントグループの人たちは知る術がないので、書き起こし記事を読んで「こういうイベントをやっていたんですね」と。グループ内も含めた社内周知はすごくできたと思っています。あとは、「ログミーさんへの掲載ってどうやるの?」って(笑)。
――ありがとうございます。よろしければこちらからご連絡させていただきます(笑)。
ログミーとほかのメディアの違い
――ちなみに他のメディアに出されてはいないんでしょうか?
門田:普通のインタビュー記事はありますけど、イベントの記事掲載はないかもしれないですね。
――エンジニア向けのイベントレポートを出しているメディアもありますが、そういうところへの露出は考えなかったんですか?
門田:そうですね、自分たちでイベントレポートを出すところが一番多いのかなと思っていて、過去はうちも自社のエンジニアブログでやっていたんですよね。でも、想像以上にキツいというか、(制作に)半日以上かかるんですよね。
記事制作って大変じゃないですか。しかも仕事をしながらなので。それに、そもそも書き起こしってエンジニアじゃないと難しいと思うんですよね。(エンジニア以外の人は)なにを言っているかわからない。
――確かに、専門用語が多いので難しいですよね。
門田:記事を書いてもらって、レビュアーがリテイクするじゃないですか。簡単に修正したり、意図と違う部分を書き直したりすると思うんですけど、書いてくれたメンバーもよかれと思って頑張ってくれているので、修正を入れにくいんですよね。大胆な構成変更なんかは相当気を遣うし。ということで、けっこうやりにくいなとずっと感じていて、そのうち社内ではあまりやらなくなりました。
一時期ほかのメディアにアプローチいただいて話を聞いたりしたんですけど、よその掲載記事やイベントレポートを見ると、ちょっと意図と違うまとめ方というか……。記事としてまとめちゃう、という。なんて言ったらいいんですかね、綺麗になっちゃうんですよね。臨場感がないというか。
例えば、自社のブログで掲載するのだとしたら、「僕らはこういうことをやりました」とか、それを受けて「僕らはどういうことをやりたい」という発信になるんですけど、よそのメディアさんに取り上げてもらう時は“第三者からの記事”というかたちになるので、ブランディングという意味ではちょっと外れてしまう。なので、「なんかいまいちだな」とずっと感じていたんです。
自社でやるのはかなり大変なのであまりやりたくないんですけど、外部化しようとするとブランディングという意味でちょっと微妙というか……。
――その間をとったちょうどいいところを、ログミーが担わせていただいていると。
門田:そうですね。ログミーさん自体はみんな日頃読んでいますし、誰かに読まれるという意味でもすごくいいのかなと思います。
それから、ログミーさん自体すごくニュートラルな気がするというか、どこかに属している感じを受けないので、そこが一番いいですね。僕らが発信しているのとそこまで差異が出ない。
サイトとしての集客自体はもう十分にされているので、自社ブログよりも10倍以上拡散されるとなると、それはもうバッチリやりたいことが叶えられるという。
――ありがとうございます。ちなみに、今後も『F.O.X Meetup』は続けていかれる予定ですよね?
門田:最近は東京以外の会社さんからもお問い合わせいただくことが増えてきていて、そのなかでログミーさんの記事を見てのお問い合わせがあるんですね。なので、当初の目的自体は達成できつつあるのかなと思います。
スタートアップのエンジニアとかサービスの方々に対して良い情報を提供し続けていけば、みんなハッピーになれるはずなので、引き続き続けていきたいなと思っています。
――ぜひログミーでも継続的に記事化をお願いいたします。
門田:ぜひ!
――本日はありがとうございました!